IIJmioひかり(IIJmio光)は、NTT東日本・NTT西日本のフレッツ光回線を使った光コラボ(光コラボレーション)によるインターネット接続サービス。光コラボなので、フレッツ光のサービスと違い、アクセス回線+プロバイダサービスがセットで提供されます。フレッツ光のように回線とプロバイダで請求がばらばらでもありません。
運営元は老舗プロバイダとして知られる株式会社インターネットイニシアティブです。くわしくは後述しますが、同社が提供する格安SIMとのセット割「mio割」も利用できます。
さっそくIIJmioひかりの料金をみていきましょう。まず、初期費用は以下のとおりです。
事務手数料 | 工事費 |
新設:800円 転用:1,800円 |
18,000円 ※新設の場合のみ ※転用の場合は工事費不要 |
工事費が発生するのは新設の場合のみです。ただし利用の環境によっては転用の場合でも、工事費が発生することがあります。また18,0000円の初期費用は20回の分割払いが可能です。
初期費用について他社と比較してみると、まず事務手数料については、他社では3,000円の場合が多いので若干ですが安くなっています。次に工事費ですが、他社光回線サービスでは、IIJmioひかり同様分割払いにした上で、その分の月額料金を差し引き実質無料にするケースも多いです。そのため新設の場合では、他社と比較して最初にかかる費用が残念ながらIIJmioは高いと言えます。
次にIIJmioひかりの月額料金は以下の通りです。
プラン | 月額費用 |
ファミリータイプ(戸建て向け) | 4,960円 |
マンションタイプ(集合住宅向け) | 3,960円 |
この月額料金を他光回線サービスと比較してみましょう。
サービス名 | 戸建住宅 | 集合住宅 |
IIJmioひかり | 4,960円 | 3,960円 |
フレッツ光 (東日本) |
5,180円~5,860円 ※31ヵ月目以降は300円追加 |
3,550円~5,310円 |
フレッツ光 (西日本) |
4,310円~5,070円 | 3,410円~4,680円 |
ビッグローブ光 | 4,980円 | 3,980円 |
ぷらら光 | 4,800円 | 3,600円 |
OCN光 | 5,100円 | 3,600円 |
@nifty光 | 4,500円 ※3年目以降は5,200円 |
3,400円 ※3年目以降は3,980円 |
SoftBank光 | 5,200円 | 3,800円 |
ドコモ光 | 5,200円 | 4,000円 |
auひかり | 5,100円 | 3,800円 |
フレッツ光は、地域や集合住宅の戸数、えらぶプロバイダによって月額料金に大きな差があります。そのため「場合によってフレッツ光よりIIJmioひかりの方が安くなることがある」が正解です。必ずしもフレッツ光よりIIJmioひかりが安くなるわけではありません。
フレッツ光以外については、ご覧の通り月額料金を比較してみると、戸建住宅向けは他社とあまり差がありません。ただ集合住宅向けプランでは、他に月額約4~500円安いサービスがあります。
なおひかり電話のサービスを月額500円で提供しているのは他社と同じ。料金を含めてこの点で差はありません。
最後に、解約時の違約金 (解約金)について他社と比較してみます。まずIIJmioひかりには24ヵ月の最低利用期間が設けられており、この期間内に解約すると5,000円の違約金 (解約金)が請求されることになります。ただ、この縛りは他社と比較してゆるくてユーザーに親切です。以下、他社契約期間と違約金 (解約金)の例をみていきましょう。
サービス名 | 契約期間の縛り違約金 (解約金)の内容 |
OCN光 | 2年間(24ヵ月間)の契約期間の縛りがあり、契約更新月以外の解約で11,000円の違約金が発生 |
So-net光 | 30ヵ月間の契約期間の縛りがあり、契約更新月以外の解約で11,000円の違約金が発生 |
ビッグローブ光 | 2年契約と3年契約あり。2年契約では24ヵ月間の契約の縛りがあり、契約更新月以外の解約で9,500円の違約金が発生。3年契約の場合は、36ヵ月の契約の縛りがあり、契約更新月以外の解約で20,000円の違約金が発生 |
他社では、一定期間経過すれば縛りがなくなる最低利用期間ではなく、契約更新月を過ぎると契約期間が更新されるタイプの契約が一般的。そのためIIJmioと比較して違約金(解約金)を支払わなければならなくなる可能性が高いといえます。加えて、違約金 (解約金)の額についても、IIJmioの方が安いです。
これらの点から、IIJmioは解約時の負担が軽くてすむと言えるでしょう。契約の縛りがこのように少ないのは、他社と比較して魅力ですね。
申込時期によっては、IIJmioひかりでお得なキャンペーンを展開していることがあります。たとえば2018年2月1日(木)~2018年5月8日(火)の期間中にIIJmioひかりを申し込むと、Amazonギフト券15,000円分をプレゼントするキャンペーンが実施されています。このキャンペーンは、新規・転用いずれの場合でも適用可能です。
なお他社キャンペーンと比較してみると、他社では以下のような高額なキャッシュバックを行うキャンペーンを実施中。
項目 | キャッシュバック額 | 備考 |
ビッグローブ光のキャッシュバックキャンペーン | 25,000円 | 公式サイト経由での申し込み |
NURO光のキャッシュバックキャンペーン | 30,000円 | 公式サイト(www.nuro.jp)経由での申し込み |
ぷらら光 | 10,000円~55,000円 | 公式サイト経由での申し込み |
auひかりのキャッシュバックキャンペーン | 43,000円~50,000円 | KDDI正規代理店「株式会社NNコミュニケーションズ」経由の申し込み ※ネットのみの申し込みでもキャッシュバックが可能 |
ドコモ光のキャッシュバックキャンペーン | 11,000円~15,500円 ※ 他にdポイントが5,000円~10,000円もらえる |
・GMOとくとくBB経由の申し込み ・「ひかりTV(2ねん割)」もしくは「スカパー」の同時申し込みが条件 |
ソフトバンク光のキャッシュバックキャンペーン | 10,000円~28,000円 | ・ソフトバンク光正規代理店「株式会社エヌズカンパニー」経由の申し込み ※ネットのみの申し込みでもキャッシュバックが可能 |
現金でもらえるかAmazonのギフト券かの違いはおくとしても、こうして比較してみると、IIJmioひかりより高い金額の特典が付くサービスが多そうです。
またIIJmioひかりでは、IIJmioが提供する格安SIM「IIJmioモバイルサービス」とセットで契約することにより、月額料金を600円割り引くサービスを実施中。既にIIJmioの格安SIMサービス利用中であればお得です。
なお、IIJmioひかり1回線につき、IIJmioの格安SIMサービスが何契約あったとしても割引になるのは600円までとなるので注意して下さい。たとえばauが展開している同様の割引「auスマートバリュー」では、1つのauひかり契約につき、最大で10回線分までauスマホの料金が割引になりますが、IIJmioひかりの場合は1回線分までが割引の対象。
加えて割引となる額について比較してみると、以下の通り大手携帯キャリアの割引額の方が大きくなる可能性が高いです。
キャリア名 | スマホ月額料金に対する割引額 |
au | 500円~2,000円 |
ドコモ | 500円~1,600円 |
ソフトバンク | 500円~1,000円 |
さらに上述した通り、他社光回線サービスでは工事費の実質無料のキャンペーンが多いことから(IIJmioひかりでは標準で18,000円の工事費が発生。分割払いも可)、通信費を節約してよりお得に使いたいなら、IIJmioひかりではなく、他社光回線サービスをえらんだほうがよさそうですね。
他社光回線のキャンペーンについてはこちらから
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IIJmioひかりを実際に利用中のユーザーの評判を見ていくと、「通信速度が遅い」という声が比較的多く見受けられるのが気になるところです。中には下りで数Mbps程度しかでない、という声もあります。(もちろん、中には数百Mbps超の通信速度を記録しているという評判も多いです。)
実際、2016年4月時点で、IIJmioひかりを提供するインターネットイニシアティブ社内の技術者のブログでも、「利用の都道府県により通信速度が低下する現象が発生している」と認めているところです。
そのブログでは、通信速度が遅くなる原因として、NTT局舎内に設置した網終端装置の混雑が主な原因と述べています。増えるユーザー数に対して機器の増設が間に合わず、回線の混雑を引き起こしてしまっているというわけです。
なおこの混雑を回避する方法として、ブログではIIJmioが提供する「IPoEオプション(800円/月)」と「DS-Lite」という技術をあげています。このオプションを使うことにより通信速度の改善が見込めるということです。
IPoEオプションとは、光回線でのインターネット接続において、よく使われるPPPoEという接続ではなく、IPoEという技術を使う方法をさします。簡単に言うと、PPPoE接続では、ユーザー宅からフレッツ回線によってインターネット接続をするまでに、上述の網終端装置を経由することになりますが、IPoEでは経由せずにそのままインターネット接続することが可能です。
なお、IPoEではIPv6というIPアドレス空間を使ってのインターネット接続になりますが、ウェブサイトの多くがまだIPv6に対応していません。そこで、IPv6空間の中でも、ほとんどのウェブサイトが対応しているIPv4での通信ができるようになる技術「DS-Lite」を併用しています。
そうして、IIJmioひかりの評判の中には、実際にIPoEオプションを使って改善したという口コミも数多く聞かれます。と同時に、このオプションを使えば改善する可能性が高いことが分かっていても、月額800円追加となるため、利用をためらっているユーザーも多いようです。「IPoEオプションを無料にしてほしい」という声も多く聞かれます。
通信速度を重視するなら、IPoEオプションの契約をおすすめしますが、そうすると月額料金が他光回線サービスより高くなってしまいます。であれば、最初から別のサービスを選択した方がよさそうですね。