モバイルクン光はNTT東西の光回線を使った光コラボによるインターネット接続サービスの1つです。提供元はSORAシム株式会社。光コラボ以外に格安SIMのサービス提供、Webマーケティングなどを行っている会社です。
モバイルクン光はもともと「ひかりdadaWAN」という名前でサービス提供されていました。しかし2016年11月に提供元の株式会社ジェネス(現:SORAシム株式会社)の事業拡大に伴い、名称変更され現在にいたっています。
まずモバイルクン光の料金プランは以下3つです。
プラン名 | 月額料金 | 概要 |
スタンダード ※標準プラン | 戸建住宅向け:5,200円 集合住宅向け:4,000円 | プロバイダ契約付きの標準的なプラン |
ミニ ※2段階定額プラン | 戸建住宅向けのみ: 3,800円(3GB)~6,520円(10GB以上) | 最低3,800円/月から使える2段階定額プラン。3GB超は38.4円/100MBの加算となり、上限は6,520円(10GB以上) |
アクセス ※回線のみプラン | 戸建住宅向け:4,500円 集合住宅向け:3,300円 | 回線のみで、プロバイダ契約を別途行うプラン。現在のプロバイダをかえられないときに利用。 |
他光回線サービスの月額と料金比較をしてみましょう。モバイルクン光は、標準的なプロバイダ契約込みのスタンダードプランをえらぶものとします。
サービス名 | 戸建住宅 | 集合住宅 |
モバイルクン光 ※標準プラン | 5,200円 | 4,000円 |
ビッグローブ光 | 4,980円 | 3,980円 |
ぷらら光 | 4,800円 | 3,600円 |
OCN光 | 5,100円 | 3,600円 |
SoftBank光 | 5,200円 | 3,800円 |
ドコモ光 | 5,200円 | 4,000円 |
auひかり | 5,100円 | 3,800円 |
他光回線サービスとほとんど差がありませんね。
次に2段階定額プランのミニについて。光コラボによる2段階定額のプランは珍しいですね。ここでは競合するフレッツ光ライト及びソフトバンク光のファミリーライトと比較してみましょう。
サービス提供元/サービス名 | 月額料金 |
モバイルクン光/ミニ | 3,800円(3GB)~6,520円(10GB以上) |
フレッツ光ライト/NTT東日本 | 3,200円(200MB)~6,200円(1,200MB以上) |
フレッツ光ライト/NTT西日本 | 3,200円(200MB)~6,200円(1,200MB以上) |
ソフトバンク光/ファミリーライト | 3,900円(3GB)~5,600円(10GB以上) |
※フレッツ光ライトは、全て戸建向けで月額500円のもっとも安価なプロバイダを利用する場合で計算しています。
料金だけみるとフレッツ光ライトの方が安いように見えますが、200MBという少量の利用ですぐに料金が上がってしまいます。200MBといえば、仮にYouTubeなどで数十分~1・2時間くらい動画をみればすぐに消費してしまう容量。ちょっと画像が多いホームページなら100~200ページ程度開いた(ダウンロードした)だけで使いきれてしまいます。そのため、「ときどき」ホームページで検索するユーザー向けのプランと言えます。
その点、月間3GB~のモバイルクン光のミニプランやソフトバンク光のファミリーライトの方が容量は多くて値段もそれほど変わらないため使いやすいでしょう。ただこの2者を比較するとソフトバンク光のファミリーライトの方が上限の料金が安いです。まとめると、2段階定額をお得に使うなら、フレッツ光やソフトバンク光の方が安価でおすすめできます。
次に主なオプションの種類と月額料金をみていきましょう。
オプション名 | 月額料金 | サービス概要 |
ひかりde電話 | 500円~ | 光回線を使った通話料金が安価な電話サービス |
ひかりdeテレビ | 600円~ | 光回線を使い、アンテナなしで地上デジタル放送・CS放送が視聴できるサービス |
リモートサポートサービス | 500円 | パソコンや周辺機器などの操作で困った場合に電話もしくはオペレーターによる遠隔操作でサポートしてもらえるサービス |
オプションの内容は他光コラボと同じで差はありません。ただ、ひかりdeテレビは他光コラボでは月額660円~で提供していることが多いので、若干ですが安いですね。
次に契約時にかかる費用は以下の通りです。
項目 | 標準的な初期費用 |
新設の場合 | 戸建タイプ:18,800円 集合タイプ:15,800円 |
転用の場合 | 3,000円 |
最後に違約金(解約金)について。モバイルクン光はどの料金プランでも2年間の契約期間が設定され、契約更新月以外に解約すると15,000円の違約金(解約金)が請求されます。たいして他光コラボの例は以下の通り。
サービス名 | 契約期間の縛り違約金 (解約金)の内容 |
OCN光 | 2年間(24ヵ月間)の契約期間の縛りがあり、契約更新月以外の解約で11,000円の違約金が発生 |
So-net光 | 30ヵ月間の契約期間の縛りがあり、契約更新月以外の解約で11,000円の違約金が発生 |
ビッグローブ光 | 2年契約と3年契約あり。2年契約では24ヵ月間の契約の縛りがあり、契約更新月以外の解約で9,500円の違約金が発生。3年契約の場合は、36ヵ月間の契約の縛りがあり、契約更新月以外の解約で20,000円の違約金が発生 |
他光コラボと比べてみると、若干ですが違約金(解約金)が高いです。
まず結論からいうと、モバイルクン光では他社で行っているような工事費実質無料やキャッシュバックといったキャンペーンを展開していません。たいして、他社では以下のような高額なキャッシュバックを行うキャンペーンを展開している例が多いです。
項目 | キャッシュバック額 | 備考 |
ビッグローブ光のキャッシュバックキャンペーン | 25,000円 | 公式サイト経由での申し込み |
NURO光のキャッシュバックキャンペーン | 30,000円 | 公式特設キャンペーンサイト経由での申し込み |
auひかりのキャッシュバックキャンペーン | 43,000円~50,000円 | KDDI正規代理店「株式会社NNコミュニケーションズ」経由の申し込み ※ネットのみの申し込みでもキャッシュバックが可能 |
ドコモ光のキャッシュバックキャンペーン | 11,000円~15,500円 ※他にdポイントが5,000円~10,000円もらえる | ・GMOとくとくBB経由の申し込み ・「ひかりTV(2ねん割)」もしくは「スカパー」の同時申し込みが条件 |
ソフトバンク光のキャッシュバックキャンペーン | 10,000円~28,000円 | ・ソフトバンク光正規代理店「株式会社エヌズカンパニー」経由の申し込み ※ネットのみの申し込みでもキャッシュバックが可能 |
たとえば戸建てタイプで新設する場合を想定すると、モバイルクン光は18,800円の標準工事費がかかる上に、他社では50,000円のキャッシュバックがもらえることがあるため、あわせて7万円近く他社の方が安いことがあるわけです。
さらに、他社光回線サービスでよく展開されているような、スマホの契約とのセット割特典もモバイルクン光にはありません。大手携帯キャリアのスマホ契約とセット割にできる場合は、スマホの月額料金から毎月以下金額を割り引くことが可能です。
キャリア名 | スマホ月額料金に対する割引額 |
au | 500円~2,000円 |
ドコモ | 500円~1,600円 |
ソフトバンク | 500円~1,000円 |
光回線サービスの中には上記割引がきくサービスも多いので、そういったサービスと比較すると、モバイルクン光はお得でないといえます。
ちなみにモバイルクン光を運営するSORAシム株式会社では、「@モバイルくん」という格安SIMサービスも別途展開しており、「光回線+SIMセット」での申し込みも受け付けています。ただし、これはあくまでセットで同時申し込みできるということであって、割引がきくわけではありません。
たとえば「光回線+SIMセット」の月額料金について、公式サイトでは5,000円~と表記していますが、これはモバイルクン光 ミニプランの月額3,800円と、月額1,200円の音声通話SIMプランを足しただけのもの。つまり割引は一切行われていません。
キャッシュバックキャンペーンやスマホとのセット割が利用できるNURO光のキャンペーン情報はこちら
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モバイルクン光については、まず訪問販売に関する評判が良くないですね。たとえば「プロバイダ料金が必要なくなります」のように、少し光コラボに関する知識があればすぐに間違いとわかるような案内で契約をとろうとして、訪問を受けたユーザーから不満があがっています。もしモバイルクン光の訪問販売を受けた場合は、その案内に気を付けた方が良いかもしれません。
また通信速度については、ユーザー数が多くないためかあまり評判が聞かれません。ただよい評判がなかった一方で、下りで1Mbpsも出なかったという口コミがあったことが気になります。
加えて、インターネットの評判を見ると、「料金が高い」という声が多い印象ですね。
さまざまな観点からモバイルクン光と他光回線サービスを比較してきましたが、残念ながら「モバイルクン光のここが他より優れる」というポイントを見出せませんでした。キャッシュバックキャンペーンなどがある他社光回線サービスの方がお得ですし、特別なオプションがあるわけでもありません。また特別通信速度に関する評判がよいということもないです。
そんな中、強いてモバイルクン光をおすすめするとしたら、モバイルクン光と同じSORAシム株式会社が提供している格安SIMサービス「@モバイルくん」を利用中の方になるでしょうか。@モバイルくんのユーザーであれば、他光回線サービスを契約したからといってスマホの割引は受けられません。その上で、光回線と格安SIMを同じ会社で契約することから、手続きやサポートの面で多少楽になるでしょう。
光回線をお得に使えるサービスをお探しなら、この記事を参考にするなどして他光回線サービスとよく比較することをおすすめします。