目次
端末名・型番 | IC-DPR3 |
メーカー | アイコム株式会社 |
定価(税別) | 39,800円 |
出力 | 1W/0.5W/0.2W |
電波・ 使用可能範囲 |
1〜3㎞ 対応中継器:なし |
周波数帯 | 351MHz帯 |
チャンネル数 | 送信:30ch 受信:30ch+上空利用5ch |
防塵・防水機能 | IP57 |
本体重量 | 202g |
本体寸法 | 幅:58mm 高さ:95mm 奥行:26.4mm |
付属品・ オプション |
付属品:アンテナ/リチウムイオンバッテリー/ 急速充電器/アダプター/ストラップ/ベルトクリップ オプション:HM-153(イヤホンマイクロホン)、 LC-181(ソフトケース) |
免許の要不要 | 不要 |
通信方式 | 単信方式 |
電信感度 | ー5dBμV emf以下(BER=1×10-2スタティック時) 0dBμV emf以下(BER=3×10-2フェージング時) |
定格電圧 | BP-271 7.4V 1150mAh min.(1200mAh Typ.) |
電池の種類・ 電池持ち |
リチウムイオン電池 (約14時間使用可能) |
「IC-DPR3」は、簡単な登録手続きのみで使用できる、登録局デジタル簡易無線機です。IC-DPR3の送信出力は1Wと、400MHz帯を利用する特定小電力トランシーバー(特小)の100倍。登録手続きが必要となるぶん、強力な電波を使用できます。
IC-DPR3は電波の到達距離も長く、見通しのよい場所であれば最大3㎞離れた場所との通信が可能です。市街地でも1㎞程度の距離まで電波が到達するため、多くの業務やイベントで安定した通信環境を構築できます。
IC-DPR3は「IP57」の防塵防水機能を備えており、ハードな環境下でも無理なく使用できます。防塵防水機能を示すIP57について、少し詳しく触れておきましょう。
IP57の防塵防水機能を備えるトランシーバーは、粉じんが舞う空間に8時間放置しても、無線機として機能します。また、水深1mの水道水に沈めて30分間放置しても、無線機としての機能を損ないません。
つまり、IP57の防塵防水機能を備えるIC-DPR3は、埃の多い場所や水を浴びるようなシーンでも無理なく使えるのです。たとえば砂ぼこりが立ちやすい工事現場でも、IC-DPR3ならトラブルを気にせず使用できます。
IC-DPR3には、500㎽の高出力スピーカーが内蔵されています。騒音が気になる場所での音声の聞き取りやすさが、高出力スピーカーの利点。工事現場のような周囲の音が大きい現場でも、情報を正確に把握できます。
IC-DPR3に別売りのヘッドセット「HS-94」を接続すると、VOX機能を利用できるようになります。VOX機能は、音声入力に反応して自動で送信モードへの切り替えを行う機能。ボタン操作なしで音声を送信できるため、作業によって両手がふさがるシーンで役立ちます。
IC-DPR3には多様な通話機能が備わっており、設定次第で秘匿性を保った通話を行えます。たとえば「ユーザーコード」を設定すれば、チャンネルとユーザーコードを共有するグループだけで通話を行うことが可能。さらに「秘話キー」を設定することにより、同じ秘話キーを共有しないユーザによる盗聴を防げます。
このほか「自局番号」の設定により、グループ内で個別の相手に呼びかけることが可能と、IC-DPR3で行える通話は多彩。上手く機能を使いこなせば、安全かつ効率的な通信環境を構築できます。
IC-DPR3と類似した製品に、アルインコ(ALINCO)の「DJ-DP10」があげられます。IC-DPR3と同じく、DJ-DP10は出力1Wのデジタル簡易無線機。IP57を一段上回るIP67に準拠しており、防塵防水機能はIC-DPR3以上です。
また、DJ-DP10の重量は175g(1,000mAバッテリー搭載時)と、IC-DPR3よりもやや軽量。本体のサイズは、IC-DPR3とDJ-DP10でほとんど変わりません。
トランシーバーとしての基本性能は、IC-DPR3とDJ-DP10でほぼ同じといえます。ただし、DJ-DP10に搭載されるスピーカーの出力は300㎽。決して低い出力ではありませんが、IC-DPR3の500㎽には劣ります。
また、DJ-DP10は、本体価格が47,429円(1,000mAhのバッテリーを同梱するセットの場合)と高額。IC-DPR3のほうが、7千円ほど安価です。
価格と性能のバランスを考慮すると、DJ-DP10よりもIC-DPR3のほうがおすすめ。価格の安いIC-DPR3なら、まとまった台数も低コストで調達できます。
IC-DPR3は、一般的な業務はもちろんのこと、広いエリアを使うアウトドアスポーツにも適しています。たとえば渓流釣りの通信手段として、IC-DPR3は最適です。
防水機能に優れるIC-DPR3なら、河の流れに足を踏み入れる場面でも安心して使用できます。また、電波の出力が高いIC-DPR3は、離れた場所にいる仲間との連絡も容易。ポイント移動の連絡や天候に関する情報の共有、釣果の報告などに役立ちます。
渓流釣りにIC-DPR3を使用するなら、参加人数分の台数を用意したいところです。また、釣りの最中は手がふさがるため、VOX機能対応のヘッドセットは必須といえます。
なお、渓流釣りでは、別グループがトランシーバーを利用している場合があります。グループ同士の通信が混線しないように、チャンネルの設定には気を配りましょう。前述したユーザーコードを活用すれば、ほかのグループとの混線を回避しやすくなります。