タフでコンパクトなTPZ-D553MCHについて徹底解説

TPZ-D553MCHの特徴

端末名・型番TPZ-D553MCH
メーカーケンウッド
定価(税別)オープン価格
出力5W/1W
電波・
使用可能範囲
1〜10Km
(対応中継器なし)
周波数帯351MHz帯
チャンネル数送信:30ch 
受信:30ch+上空利用5ch
防塵・防水機能IP54/IP55/IP67
本体重量254g
本体寸法幅:56mm 
高さ:92mm 
奥行:29.4mm
付属品・
オプション
付属品:リチウムイオン電池、充電器、ベルトフック
オプション:KMC-55(防水型スピーカーマイク)、
EMC-15(イヤホン付きクリップマイク)など
免許の要不要不要
通信方式単信方式
電信感度不明
定格電圧DC 7.4V±10%
電池の種類・
電池持ち
リチウムイオン電池
(約15時間使用可能)

 

ケンウッドの「TPZ-D553MCH」は、出力5Wのデジタルトランシーバーです。TPZ-D553MCHの特徴として第一にあげられるのが、ボディサイズのコンパクトさ。本体部分が幅56mm、高さ92mmと小さく、厚みも29.4mmと薄いため、小柄な方や女性の手にも収まります。

防塵防水機能の高さも、TPZ-D553MCHの特徴の1つです。「IP54」「IP55」「IP67」の3つの防塵防水規格に準拠しており、タフさが求められる環境での使用に対応できます。

より詳しくいうと、TPZ-D553MCHの防塵性能は、機器内部へのダストの侵入を完全に防げるレベルです。また、防水面では防浸形の「IPX7」と防噴流系の「IPX5」に準拠しており、水没したり、暴雨の水圧にさらされたりしても、無線機としての機能を損ないません。

コンパクトでタフなボディをもつだけでなく、TPZ-D553MCHはトランシーバーとしての性能も高レベルです。通信可能距離は、見通しのよい場所で最大10Km、市街地でも最大1Kmにおよびます。

なお、TPZ-D553MCHは「簡易無線登録局」に該当する機器であり、登録申請さえ済ませれば資格がなくても使用できます。登録申請の手続きは、申請書類に収入印紙を貼り、「総合通信局」に送付するだけと簡単。申請から15日ほど待てば、登録状が届いてTPZ-D553MCHを利用できるようになります。

イコライザーで音質を調整可能

TPZ-D553MCHにはオーディオイコライザーが備わっており、状況に応じて通話の音質を調整できます。音質の調整は、受信用と送信用を別々に行うことが可能。音質設定は、「フラット」「低域強調」「高域強調」の3種類から任意のものを選べます。

なお、TPZ-D553MCHに搭載されているスピーカーは、出力が700mW(ミリワット)とパワフルです。高出力スピーカーを備え、音質調整に対応するTPZ-D553MCHなら、クリアかつ大きな音声で通話を行えます。

複数の通信方式に対応

TPZ-D553MCHは、3種類の通信方式に対応しています。3種類の中で基本となるのは、トランシーバー同士のチャンネルを合わせて行う通信です。この通信方式はシンプルで設定が簡単ですが、同じチャンネルで通信する第三者のトランシーバーと混信してしまう場合があります。

トランシーバー同士の混信を避けたい場合に役立つのが、2つめの通信方式「ユーザーコード通信」です。ユーザーコード通信では、チャンネルと「ユーザーコード」の2要素を設定して通信を行います。2要素の両方が一致しないトランシーバーは、通話を受信できません。

ユーザーコード通信と合わせて活用したいのが、3つ目の通信方式である「個別ID」を使った通信です。個別IDとは、文字どおり各トランシーバーに個別で設定する識別コードのこと。個別IDを設定しておけば、ユーザーコード通信によるグループへの呼びかけと、各トランシーバーへの個別の呼びかけを使い分けることができます。

ただし、個別呼び出しを使用するには、Windows用のソフトウェア「MCP-8B」を使った設定変更が必要です。MCP-8Bは無料でダウンロードできますが、ソフトの機能を利用するには、別売りのケーブル「KPG-186U」が必要となります。

以上の通信方式を活用すれば、混信しにくく、かつ効率的な通信システムを構築することが可能。業務やレジャーにおける連絡を、スムーズに行えるようになります。

類似製品「VXD20」との比較

TPZ-D553MCHの類似製品として、バーテックススタンダードの「VXD9」があげられます。VXD9も出力5Wの簡易無線登録局であり、通信可能距離はTPZ-D553MCHと変わりません。

また、VXD9のボディサイズは厚さ30mm、幅60mmとコンパクト。TPZ-D553MCHよりは少し大きいものの、片手に収まるサイズです。VXD9は防塵防水性能も優れており、IP67に準拠しています。ボディのタフさは、TPZ-D553MCHと同レベルと言ってよいでしょう。

ハード面の性能は、TPZ-D553MCHとVXD9でほとんど変わりません。一方、ソフト面では、通信設定の多彩さでVXD9がTPZ-D553MCHを上回ります。VXD9はグループIDを使った通信に対応しており、多数のグループを作って通信を行うことが可能です。また、VDX9も個別ID通信にも対応しており、設定はパソコンなしで行えます。

規模の大きい無線システムを構築したい方には、TPZ-D553MCHよりもVXD9のほうがおすすめです。ただ、VXD9はバッテリー持ちが最大10時間と、さほどよくありません。

TPZ-D553MCHであれば、一度の充電で約15時間使用できます。電池持ちを重視するなら、VXD9よりもTPZ-D553MCHを選んだほうがよいでしょう。ちなみに実売価格は、VXD9よりもTPZ-D553MCHのほうがやや安価です。

TPZ-D553MCHが活躍するシーン

TPZ-D553MCHが活躍するシーンとして、アミューズメント施設があげられます。ところせましとゲームやアトラクションが並ぶアミューズメント施設では、スタッフの装備品がお客様の邪魔にならないように配慮したいところ。コンパクトで軽量なTPZ-D553MCHなら、スタッフが身につけても邪魔になりませんし、スタッフ自身の動きも制限しません。

また、音質調整ができるTPZ-D553MCHなら、ゲームの音が鳴り響く施設内でも、音声を聞き取りやすいように設定できます。アミューズメント施設にTPZ-D553MCHを導入するなら、実働するスタッフ数に、事務所用を加えた台数を購入したいところです。たとえば、スタッフ10人が常時フロアに出る施設であれば、11台以上のTPZ-D553MCHを導入することをおすすめします。