タフでシーンを選ばないUBZ-BM20Rについて徹底解説

UBZ-BM20Rの特徴

端末名・型番UBZ-BM20R
メーカーケンウッド
定価(税別)オープン価格
出力10㎽
電波・
使用可能範囲
300m〜1㎞
(中継器で延長可能)
周波数帯420MHz/440MHz(中継器使用時)
チャンネル数20ch+27ch(半復信・中継装置使用時)
防塵・防水機能IP67
本体重量125g
本体寸法幅:49㎜
高さ:99.8㎜
奥行:22.5㎜
付属品・
オプション
付属品:リチウムイオン電池、充電台、
ACアダプター、ベルトクリップ
オプション:EMC-12(イヤホン付きクリップマイク)、
HMC-3(ヘッドセット)
免許の要不要不要
通信方式単信方式および反複信方式
電信感度不明
定格電圧DC 3.8V
電池の種類・
電池持ち
リチウムイオン電池
(約15時間使用可能)

 

「UBZ-BM20R」は、無線資格なしで使用できる「特定小電力トランシーバー(特小)」です。特小は無線機としての登録申請も不要なため、購入してすぐに使い始めることができます。

UBZ-BM20Rの出力は10㎽(=0.1W)と、さほどパワフルではありません。登録申請が必要な「簡易無線登録局」と比べると、出力は100〜500分の1程度です。

とはいえ、UBZ-BM20Rの電波は、市街地で300m程度まで飛びます。障害物がなく見通しのよい場所であれば、最大1㎞程度まで電波を飛ばすことも可能です。

また、UBZ-BM20Rの電波は、中継器を使用して2倍に延長できます。かなり広いスペースであっても、UBZ-BM20Rと中継器があれば出力不足は感じないはずです。ちなみに、UBZ-BM20Rに対応する中継器としては、ケンウッドの「UBZ-RJ27」があげられます。

防塵防水性と堅牢性に優れる

UBZ-BM20Rの特徴に、ボディの堅牢性と防塵防水性能があげられます。UBZ-BM20Rのボディは、アメリカ国防総省の軍用規格「MIL-STD-810G」に定められた衝撃試験に対応するタフ仕様です。

また、UBZ-BM20Rは、「IP67」の防塵防水規格に準拠しています。IP67は、世界最高クラスの防塵防水規格。内部への粉じんの侵入を完全に防ぐ防塵性能と、水没させても中に水が浸入しない防水性能をもつ機器だけが、IP67規格の製品として認められます。

堅牢性と防塵防水性に優れるUBZ-BM20Rは、活躍するシーンを選びません。ハードな環境下で行う業務やレジャーでも、無理なく使用できます。

効率的な通信環境を構築できる

UBZ-BM20Rの基本的な通信は、ほかのトランシーバーとチャンネルを合わせるだけで行えます。ただし、チャンネル設定だけで行う通信は、無関係なグループの無線と混信しやすいため、実用的といえません。

そこでUBZ-BM20Rは、「グループ番号」を使った通信を行えるようになっています。グループ番号は、混線しにくい通信グループを作るための設定項目です。通信を行う機器同士でチャンネルとグループ番号を合わせれば、ほかのグループとの混信が起こらなくなります。

グループ番号は1〜38まであるため、複数の通信グループを作れます。たとえば、業務の班ごとにグループ番号を割り振れば、各班で独立した通信が行えて便利です。

また、グループ番号に加えて「ボイススクランブル機能」を活用すれば、安全性の高い通信環境を作ることができます。ボイススクランブル機能は、第三者の無線機による盗聴を防ぐための機能です。

ボイススクランブル機能使用時の通話内容は、同機能を設定していない無線機では聞き取れません。グループ番号とボイススクランブル機能の両方を使えば、安全で効率的な通信を行えます。

ただし、UBZ-BM20Rの機能を駆使しても、盗聴の可能性をゼロにすることはできません。重要な情報の伝達は、トランシーバー以外の方法で行うことをおすすめします。

類似製品「FTH-307」との比較

UBZ-BM20Rの類似製品として、バーテックススタンダードの「FTH-307」があげられます。FTH-307も出力10㎽の特定小電力トランシーバーであり、導入の手軽さはUBZ-BM20Rと同じです。

また、FTH-307の通信距離は最大1㎞程度と、UBZ-BM20Rと変わりません。中継器に対応している点も、UBZ-BM20Rと同じです。このほか、通信方法やセキュリティ性能も、FTH-307とUBZ-BM20Rで差はありません。FTH-307も、グループ単位の通話や「秘話モード(ボイススクランブルに相当する機能)」に対応しています。

トランシーバーとしての基本機能は、UBZ-BM20RとFTH-307で互角です。一方、防塵防水性能の比較では、UBZ-BM20Rに軍配が上がります。

FTH-307の防塵防水等級は、IP67よりもランク下の「IP55」です。IP55も高度な防塵防水規格ですが、機器内部への水および粉じんの浸入を、完全に防げるレベルではありません。ハードな環境で使用するなら、FTH-307よりもUBZ-BM20Rのほうがおすすめです。

このほかの両者の相違点としては、バッテリーの種類があげられます。UBZ-BM20Rのバッテリーはリチウムイオン電池ですが、FTH-307は単三アルカリ乾電池駆動です。

電池の種類が違うため、FTH-307とUBZ-BM20Rとでは電圧が異なります。簡潔にいうと、リチウムイオン電池を使うUBZ-BM20Rのほうが高電圧です。

一般的に電圧が高いほうが、電波の飛距離は高まります。つまり、同じ10㎽のトランシーバーでも、UBZ-BM20Rのほうが遠距離まで電波を飛ばせるのです。電波の強さや安定性を重視するなら、FTH-307よりUBZ-BM20Rのほうがおすすめです。

UBZ-BM20Rが活躍するシーン

UBZ-BM20Rの利用に適したシーンとして、登山があげられます。山の上の天気は変わりやすく、登山中に突然の雨にさらされるケースは少なくありません。防塵防水性能に優れるUBZ-BM20Rなら、急な豪雨でずぶ濡れになっても問題なく使用できます。

登山用にUBZ-BM20Rを購入するなら、台数は1台でよいでしょう。特定小電力トランシーバー同士は互いに通信できるため、登山参加者全員が同じ機種を使用する必要はありません。

なお、登山でUBZ-BM20Rを利用するなら、予備のバッテリーパックも用意しておきたいところです。UBZ-BM20Rのバッテリーは15時間使用できますが、不測の事態で立ち往生すると、電池切れの可能性が生じます。

UBZ-BM20Rに対応するバッテリーパックは、ケンウッドの「UPB-6L」です。UBZ-BM20Rを購入する際は、予備バッテリーも同時に発注することをおすすめします。