Broad WiMAXのグローバルIPについて そのメリットや設定方法

オプションサービスを利用すればグローバルIPアドレスを取得できる

通常、Broad WiMAX契約者に割り当てられるIPアドレスは、「プライベートIPアドレス」です。ほかのプロバイダでWiMAXを契約した場合も、IPアドレスの種類は変わりません。

WiMAXのシステムなら、プライベートIPアドレスでも通常のインターネット利用は問題なく行えます。ただ、ユーザーによっては、「グローバルIPアドレス」が必要になる場合もあることでしょう。

一部のWiMAXプロバイダは、オプション利用によるグローバルIPアドレスの取得を可能としています。Broad WiMAXも、その中のひとつ。月額96円のオプション料金を支払うことで、グローバルIPアドレスを取得できます。

そもそもグローバルIPアドレスって?

前節を読んで、「グローバルIPアドレスやプライベートIPアドレスって何?」と思った方も多いことでしょう。グローバルIPアドレスとは、インターネット接続に必要となる個別の番号のことです。いわば住所や電話番号のようなものであり、世界に同じグローバルIPアドレスは2つと存在しません。

手紙のやりとりに住所が必要であるように、インターネットを通じたデータの送受信にはグローバルIPアドレスが必要となります。グローバルIPアドレスがあるからこそ、各家庭から送られるリクエストに対してサーバーがデータを返すことができるのです。この仕組みがなければ、インターネット通信は成り立ちません。

これに対してプライベートIPアドレスは、特定の範囲内でのみ利用できるIPアドレスになります。通常、プライベートIPアドレスは、施設や家庭内での通信にしか利用できません。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違いは、企業で利用する電話番号に例えると簡単に理解できます。グローバルIPアドレスは、電話でいう外線番号のようなものです。

会社の外線番号を利用すると、ほかの企業や家庭などと通話できますよね?これと同様にグローバルIPアドレスも、外部のサーバーやコンピュータとの通信に利用できます。

一方、プライベートIPアドレスは、内線番号のようなものです。内線番号を利用すれば、建物内の各部署と通話を行えます。ただし内線番号では、直接外部の電話と通話できません。外部と通話するには、外線番号による発信を行う必要があります。

これと同様に、プライベートIPアドレスは外部との通信に利用できません。外部のサーバーやコンピュータと通信するには、ルーターでアドレスをグローバルIPアドレスに変換する必要があります。

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・WiMAXの通信方式について

ここまでの内容を読んで、「じゃあWiMAXはどうやって通信を行ってるの?」と、疑問に思う方が多いことでしょう。先にご紹介したように、WiMAXの各端末に割り当てられるIPアドレスは、プライベートIPアドレスです。単純にプライベートIPアドレスを割り当てるだけでは、端末とインターネット間の接続を確立できません。

そこで登場するのが、「NAPT」という通信技術。NAPTとは、1つのグローバルIPアドレスと、複数のプライベートIPアドレスを紐付ける技術です。NAPTによるインターネット通信は、以下の順序で成り立ちます。

1.プライベートIPアドレスの情報を含めたデータが端末から送信される

2.NAPTによってIPアドレスの情報が変換される

3.グローバルIPアドレスの情報を含めたデータが外部サーバーに届く

4.グローバルIPアドレスあてに外部サーバーから返信データが送信される

5.NAPTによりデータの宛先が変換される

6.端末のプライベートIPアドレスあてに返信データが届く

以上の手順は一瞬で行われるため、IPアドレスの変換にともなうタイムラグが生じることはありません。

WiMAX端末の通信は、NAPTによって実現されています。NAPTを利用すれば、プライベートIPアドレスをもつ複数の端末を、1つのグローバルIPアドレスを介してインターネットに同時接続することが可能。つまりWiMAXの通信は、1つのグローバルIPアドレスを複数のユーザーで共有することにより成り立っているのです。

ちなみに、NAPTは特別な技術ではありません。WiMAX端末とパソコンやタブレットなどとの接続も、NAPTにより行われています。WiMAXで通信している間は、WiMAX端末のIPアドレスと各端末に割り当てたIPアドレスの変換が絶え間なく行われているのです。

またNAPT機能は、一般的なブロードバンドルーターにも標準で備わっています。いまや家庭でのインターネット利用は、NAPTなしでは成り立たないといっても過言ではありません。

・なぜNAPTが必要なのか

なぜWiMAXは、わざわざNAPTを使った通信方式を採用しているのでしょうか。各端末にグローバルIPアドレスを割り当てれば、IPアドレスの変換などという手間をかけずに済むはずです。

もちろん、WiMAXの回線提供元であるUQコミュニケーションズも、この点を理解していないわけではありません。かつてはWiMAXにも、グローバルIPアドレスが割り当てられていました。

しかし、ある問題に対処するために、UQコミュニケーションズではNAPTの採用へと舵を切ったのです。そのある問題とは、“グローバルIPアドレスの枯渇”。グローバルIPアドレスの発行可能数は限られており、世界的な枯渇が以前から問題視されています。

グローバルIPアドレスの発行可能数は、理論上約43億個が限度です。これに対して、全世界の人口は73億人以上。個人が複数のインターネット端末を所有する現代において、グローバルIPアドレスが不足することは明白です。

この問題への対応策として、UQコミュニケーションズではWiMAX端末に割り当てるアドレスをプライベートIPアドレスに変更しました。NAPTとプライベートIPアドレスを利用することで、将来的なグローバルIPアドレスの枯渇に対応できる体制をとったのです。以上の経緯を踏まえると、現在グローバルIPアドレスがオプション扱いになっていることも納得できるのではないでしょうか。

グローバルIPアドレスを利用するメリット

前節でご説明したように、WiMAX端末はプライベートIPアドレスによってインターネット通信を行えます。となれば、わざわざオプションでグローバルIPアドレスを利用しなくてもよさそうな気がしますよね。

しかし、グローバルIPアドレスには、プライベートIPアドレスにはないメリットがあります。以下をご覧ください。

・対戦型オンラインゲームを楽しめる

・リモートアクセスを利用できる

・自宅PCをサーバーとして活用できる

一部の対戦型オンラインゲームを利用するには、ポート転送設定(ポート開放)が必要となります。この設定を行えるのは、グローバルIPアドレスのみ。対戦型オンラインゲームを楽しみたいなら、グローバルIPアドレスは必須です。

「リモートアクセス」の利用にも、グローバルIPアドレスが必要となります。リモートアクセスとは、手元の端末を使って離れた場所にあるコンピュータにアクセスすること。リモートアクセスを利用すれば、出先から自宅のパソコンやIPカメラにアクセスできます。

自宅のパソコンをサーバーとして活用したい場合も、グローバルIPアドレスは必須です。パソコンをサーバー化することで、特定の外部ユーザーにパソコン内のデータを公開できます。

グローバルIPアドレスの設定方法

Broad WiMAXのグローバルIPアドレスを利用するために、特別な申し込みは必要ありません。WiMAX端末の接続設定を変更すれば、翌日の午前2時ごろから利用できるようになります。

ただし、接続設定の変更は、端末上では行えません。WiMAX端末と接続したパソコンが必要です。また、接続設定の変更方法は、端末のメーカーごとに違います。WiMAX端末の製造元は、HUAWEIとNECの2社。各社の端末の接続設定変更方法を、順番にチェックしていきましょう。まずは、HUAWEI製端末の設定変更方法から。

HUAWEI製端末の設定を変更するには、端末のIMEI(製造番号)が必要です。IMEIは、端末裏面で確認できます。IMEIをメモしたら、端末と接続したパソコンで接続設定を変更してください。設定変更手順は、以下のとおりです。

1.パソコンでインターネットブラウザを起動する

2.ブラウザのアドレス入力欄にhttp://192.168.100.1と入力してEnter

3.端末の設定ページが表示される

4.ユーザー名に「admin」、パスワードにIMEIの末尾5ケタを入力する

5.「ログイン」をクリック

6.ログイン後の画面で「設定」を選択

7.画面左のメニューで「プロファイル設定」を選択

8.初期プロファイル画面が表示されるので「新規」ボタンをクリック

9.プロファイルを新規作成する画面が表示される

10.接続設定情報を入力する

11.「保存」ボタンをクリック

12.画面に「成功」と表示されたら設定完了

以上の手順で、グローバルIPアドレスの設定は完了します。なお、手順10では、各項目を以下のように設定してください。

・プロファイル名・・・Global

・APN(接続先情報)・・・wx2.uqwimax.jp

・ユーザー名・・・global@wx2.uqwimax.jp

・パスワード・・・0000

・認証タイプ・・・CHAP

・IPタイプ・・・IPv4

続いて、NECのWiMAX端末で、接続設定を変更する方法をチェックしてみましょう。NECの端末の場合も、端末と接続したパソコンで接続設定を変更できます。ただし設定変更を行うには、まず以下の手順で「クイック設定Web」のパスワードを設定しなければなりません。

1.パソコンでインターネットブラウザを立ち上げる

2.アドレス入力欄にhttp://192.168.179.1と入力してEnter

3.「クイック設定Web」画面が表示されるので「詳細TOPへ」を選択

4.画面の案内に従って任意のパスワードを入力する

5.「設定」ボタンをクリックする

以上の手順でパスワードを設定すると、クイック設定Webのトップページに戻ります。続けて、以下の手順で接続設定を変更してください。

1.「詳細TOPへ」を選択

2.認証ダイアログが開くので、ユーザー名に「admin」と入力

3.続けてパスワード欄にクイック設定Webのパスワードを入力

4.「OK」をクリック

5.ログインが完了したら、画面左のメニューで「ネットワーク設定」を選択

6.続けて「プロファイル設定」を選択

7.「プロファイルリスト」のプルダウンリストを開き、「no setup」を選択

8.「選択」ボタンをクリック

9.各フォームに接続設定情報を入力

10.「設定」ボタンをクリック

11.画面左のメニューで「接続設定」を選択

12.「プロファイル選択」のプルダウンリストを開き、新規作成したプロファイルを選択

13.「設定」をクリック

14.「保存」ボタンをクリックして設定完了

手順9で入力する内容は、HUAWEI製のWiMAX端末と同じです。なお、変更した接続設定は、端末の操作で元に戻すことができます。グローバルIPアドレスが不要になったら、端末を操作して接続先を「Internet」に変更してください。

グローバルIPアドレス利用時に注意すべきこと

グローバルIPアドレスを利用する際は、以下の点に注意してください。

・オプション料金は日割りにならない

・割り当てられるグローバルIPアドレスは変動する

グローバルIPアドレスのオプション料金は、日割り計算されません。月末に加入した場合も、満額のオプション料金が発生します。

また、オプションで割り当てられるグローバルIPアドレスは、固定IPアドレスではありません。接続のたびにIPアドレスが変わる場合があるのでご注意ください。

IPアドレスが変わると、サーバーとしての自宅パソコン活用や、リモートアクセスの利用に支障が出ます。IPアドレスが変わることで、外部から自宅パソコンやIPカメラなどにアクセスできなくなるのです。

この問題を解決するには、ダイナミックDNSというサービスと、ダイナミックDNSのIPアドレス更新を自動でおこなうツールの利用が必要になります。どちらも無料で利用できますが、パソコンでサービスやツールの設定を行わなければなりません。

以上の点から、グローバルIPアドレスを有効活用するには、ある程度パソコンに関する知識が要求されます。とはいえ、IPアドレスに関する情報や知識は、インターネットで収集可能です。グローバルIPアドレスを利用する際は、ぜひご自身で情報をチェックしてみてください。